fc2ブログ
2014/09/07

オメガ・スピードマスター 最新版 (ワールド・ムック 1000)

『オメガ・スピードマスター 最新版』 (ワールド・ムック 1000) というムックが、2014年8月末に発売された。
買う価値を見いだせなかったので、写真はない。

画像等は、下記のリンク先をご参照ください。
http://www.monoshop.co.jp/shop/upload/save_image/08281253_53fea7bdee283.jpg

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4846530000/

http://www.monoshop.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=5655

このムック、『オメガ・スピードマスター 20世紀の記憶装置』(ワールドムック600)の改訂版だという。

しかも、『オメガ・スピードマスター 20世紀の記憶装置』(ワールドムック600)は『20世紀の記憶装置 オメガ・スピードマスター 』(ワールドムック100)の改訂版なので、

『オメガ・スピードマスター 最新版』 (ワールド・ムック 1000)は、『20世紀の記憶装置 オメガ・スピードマスター 』(ワールドムック100)の再改定版ということになる。



大元になった『20世紀の記憶装置 オメガ・スピードマスター 』(ワールドムック100)が運よく近所の図書館にあったので、読んでみた。
1997年発行のムックであるが、その時点から約三十年前のアメリカのNASAの宇宙開発に関する記事が本の過半数を占めるムックであった。

腕時計の本を読もうとしたら、宇宙がメインの本だった。

NASAとスピードマスターがどっちも好きで、どっちかというとNASAの方が好きな人にしか向かない書物である。

タイトルに偽りありだ。スピードマスターについての本とは思えない内容だ。(表紙なんて、ほとんどが宇宙飛行士の記念写真だった)

編集した人の思考と嗜好が異常なまでに反映された結果としか思えなくて、めまいを覚えた。


宇宙開発に占めるスピードマスターの役割なんて、彼らが思いこませようとしているほどすごくない。
当時のストップウォッチ機能付き腕時計としては頑丈だったから、アメリカの宇宙飛行士の装備品に選ばれただけの話にすぎない。

現在では、Gショックかルミノックスにでも任せておけばいい分野だ。

ご存じのとおり、アポロ13号の事故の際に、正確に十何秒かを計れたから、危機を脱出できたというネタもあるにはある。
だが、それにしても、十数秒程度をまともに計れないストップウォッチを探すほうが難しいし、その程度の時間の長さであればストップウォッチ機能がついてない腕時計でも確認できる。


というわけで、数ある装備品の一つでしかない物に、異常に執着して、さも大事業に大きな役割を果たしたように錯覚させる効果を狙ったムックとしか思えなくなった。


ただし、「余分な」NASA関連の記事を除くと、それなりに興味を持てる記事もある。
歴代のスピードマスターの細かな差異は、パーツごとに変更点を並べていたので見やすかったし、
初代からのスピードマスターの多くが並んだ一覧写真も面白かった。

だが、それにしても、それに3000円以上の金銭を払おうとは思えない。

ちなみに、『最新版』は600号から16ページ増量しているそうだが、定価は4800円に値上げされている。
増量は結構なので、宇宙関連の内容なんて十分の一以下に圧縮して、「ちゃんと」オメガ・スピードマスターそのものが主役になるようにしてほしい。
また、宇宙飛行士だけじゃなく、安倍総理やミハエル・シューマッハ等の著名人のユーザーや、古今東西の逸話を盛り込んだ本がほしい。シューマッハが広告塔になるまえからドイツで人気があったのだが、その理由も知りたい。