腕時計に初心者向けってあるのかな?【入門機】
初心者向け?
腕時計の広告記事のタイトルを見ると、
「初心者向け」
「入門機」
などのフレーズがたびたび現れる。
腕時計に、そんなものあるのか?というのが、筆者の疑問である。
むしろ、入門の時期だからこそ、入門機などではなく、とにかく良いものをと思うのだ。
筆者にとっての入門機
筆者にとっての初めての腕時計は、デジタルのおもちゃ時計を除くと、中学生の頃に、母方の祖父からもらったシチズンの3針クォーツのメタルバンドだ。
一個上の従兄と、似たような二つからどちらか選べと言われたエピソードつきだ。
シチズン名義で、良くも悪くもビジネス風の品だったから、逆説的に、安物ではなかったと思う。
(筆者がたまに購入しているシチズンQ&Qを数本まとめたよりは高かったに違いない)
日付の送り方、時計の内部に昼夜があることは、シチズンをいじりながら覚えた。
しかし、見た目を気に入ることはついぞなかったから、主に定期試験用として使っていた。
次の腕時計は、姉から借りたダイバーズルックの腕時計……と少しずつ腕時計について覚えていった。
でも、それは筆者の若い頃の場合だ。
今のご時世、正確な時刻を知りたいだけならスマートフォンで十分だ。
腕時計を中学高校の入学祝いにという風潮も、筆者の頃にすでに無くなっていた。
場合によっては、ちゃんとした腕時計を持たなくても、社会人にだってなれるだろう。
試験のときには腕時計がないと困る場合もあるが、その用途なら百均でもいい。
はじめての腕時計、最低でも1万円からの腕時計を、社会人になってから購入するとして、
あえて、入門機といわれるものを選ぶ必要があるのだろうか?
入門機の例
よくあげられるのが、海外メーカーだと、オメガやタグホイヤー、ハミルトン、ノモス、ティソ、オリスあたりの機械式にしては安いライン。
または、セイコーの機械式のうち安いライン。(セイコー5は安すぎるからか、そういう広告的ページでは載らないことも)
基本的に、メーカー内により上級なモデルがある上で、あえて安いラインが入門機として勧められるようだ。
そして、5万円台、10万円台、20万円台と、価格ごとにおすすめが出てくる。
腕時計入門機としてではないが、ロレックスだとオイスターパーペチュアルをロレックス入門機としてすすめる例も。(ごく一部でスポーツモデルの入門機としてエクスプローラーを紹介する例も)
満足できる?
価格と下級モデルから、という選び方をした入門機だと、まず、満足できないと思う。
結果的に、腕時計自体から離れるか、別の腕時計を求めるかになるだけだと思う。
(さっさと、通り過ぎるという意味では、入門なのかもしれない。)
長く身に付けるものなのに、
男性の場合普通のビジネスマン唯一のアクセサリーなのに、
価格が全面に出過ぎているからだ。
筆者は他にも熱心な趣味があるのだが、どの界隈でも言われるのが、
「買う理由が値段なら、やめたほうがいい」
「安くなったら買うは、結局買わない」
もちろん、どんな商品も金銭的な費用とは無縁ではいられないし、予算はとても大切なのだが……
このご時世に、あえて買う腕時計だからこそ、こだわってほしい。
むしろ、腕時計のよさがわかるものを、そして、値段がはっても確実に良いものを!
と思う。
安くてもいい
安くてもいい。
セイコー5をベルトを変えながら使う。本体一本とベルト数種合わせても2万円もあればいい。
高くてもいい
高くてもいい。
機械を楽しめるものがいい。
そりゃ、ノモスでもいいだろうけど、
もっとずっと高価な代わりに、人類の叡智を堪能できるような小宇宙(雲上やハイブランドのもの)をあなたの左手首に試着してみたらと思う。
何が良くて、何が悪いかわからない方、入門期だからこそ、勝手に低価格帯・下級モデルで満足させてはならない。
日本の技術
筆者はナショナリズムに凝り固まるのは逆に不経済だと考えているが、
入門期の友人への背中を押すセールストークとして活用するのはありとも思う。
日本の技術を堪能できる、ザラツ研磨などのケースの仕上げをうたった製品、シチズンの超薄型クォーツ、古き良きセイコーなどだ。
あえて
あえて、アンティークでもいい。
物を丁寧に扱える人なら入門期だろうが問題ないだろう。
(時計の扱い方は女性の扱い方に似ているとも言う。なお、筆者は妻から時計の扱い方を褒められる)
かつて、賢人とも称される、投資家ウォーレン・バフェットはこう言った。
「10年間、市場が閉鎖されてもかまわないようなものに投資するべきだ」と。
腕時計に関しても、同様だと筆者は考える。
これから10年間、腕時計を買うことができなくても、構わないものを買うべきと。
まとめ
入門の時期に、安直に入門機ではもったいない!