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2020/10/11

NHKEテレ ミクロワールド 「時を刻む 腕時計の秘密」  【腕時計サイト勝手にレビュー番外編】

NHK Eテレ「ミクロワールド」の腕時計の回


ミクロワールドという小学生から高校生向けの理科分野の5分番組。

それの「時を刻む 腕時計秘密」の回では、
機械式腕時計(手巻)の構造について、説明していたので、ここで取り上げたい。

https://www2.nhk.or.jp/school/movie/bangumi.cgi?das_id=D0005100160_00000

放送日は10月1日だったが、上記リンクのNHK for schoolで、いつでも視聴できる。


内容


内容は、

腕時計の構造を調べる
香箱の回転を伝える歯車と「カナ」
1分間でひとまわりする「4番車」
ブレーキをかける「アンクル」
時の刻みを支える精密技術

となっている。

タレントなどは出てこず、ナレーションだけで進行する。


なお、使用している腕時計は、ヒコみずのジュエリーカレッジの銘が入っていた。
NHKらしく?特定のメーカーの宣伝にならないような配慮だったのだろうか。
ちなみに、公式サイトの「あらすじ」には
〔撮影協力:専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジ〕の表記があった。


おわりに


今回の番組、
息子向けにかたっぱしからEテレの学習系番組を録画している妻が、発見した。
腕時計趣味者ではない妻にも、腕時計のムーブメントは「きれい!」だそうだ。

あえて機械式腕時計を子供向けに取り上げていること、とにかく好感が持てた。

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2020/10/10

非常時の腕時計

本日10月10日は以前は晴れの特異日だった



今年2020年10月10日は、よりによって台風接近である。


さて、今回は、非常時の腕時計を考えたい。

いざというときに、活躍するのはこんな時計だ。



1 頑強 

2 惜しくない

3 一緒にいたい



1 頑強


G-SHOCKを筆頭に、各種特殊用途御用達腕時計たちが、これにあたる。

耐衝撃・防水性だけでなく、
視認性が高かったり、発光したりする機能がついているものも多い。

非常時に、さらに披露が蓄積しているときなどに、それらの付加的な機能は有効だ。



2 惜しくない



チープカシオF91を始めとして、格安で、惜しみなく使えるものも、非常時には有効だ。

いくら腕時計ファンとはいっても、腕時計に気を使っていられないときもある。

人命最優先のときに、惜しみなく使える。

また、チープカシオF91は、そこそこの強さ、防水性もあるし、
薄型軽量で、疲労感を感じにくいので、こちらも非常時の長時間活動にはぴったりだ。



3 一緒にいたい


自分の命も、かなり絶望的な状況なら、
最後はお気に入りなどと一緒にいたい。

思い出の品、とにかく好きな品。


そして、絶望的な状況でも元気をくれるものでもある。



まとめ


うまくまとまらないが、
腕時計、どんなときでも、やっぱりいいですよね。

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2020/10/09

ブローバ・アキュトロン・スペースビュー2020では、初代アキュトロンを超えられない

ブローバ・アキュトロンシリーズの最新作



20201008190419dca.jpg

(画像は下記ブローバ公式サイトより転載)
https://bulova.jp/news/200923_2/


唯一無二な音叉式腕時計ブローバ・アキュトロンの末裔というか、

ブランド名とイメージを引き継いだ現在のアキュトロンシリーズ……

現行のアキュトロン2は高精度のクォーツだった、

そして、新たに発表されたアキュトロン2020またはDNAは、静電誘導発電によるクォーツだ。



そもそも論として


そもそも、音叉式腕時計は、音叉による正確な振動を利用したものだ。
水晶の発振を利用したクォーツ式とは、そもそも論として別物だ。

しかし、今回の新アキュトロンも、現行のアキュトロン2も、所詮は、クォーツ腕時計だ。


たしかに、初代アキュトロン・スペースビューのデザインやイメージを引き継ぐことにアキュトロンの末裔たちは成功している。


しかし、初代アキュトロンの持っていた、突き抜けるほどの特徴! 唯一無二さは、新型にはない。



だから、とても、かっこいいけれどね……というのが正直な感想だ。

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2020/10/08

オメガの新作 スピードマスター “シルバー スヌーピー アワード” 50周年記念

スピードマスター “シルバー スヌーピー アワード”
50周年記念



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画像は、下記オメガ公式サイトより転載

スピードマスター “シルバー スヌーピー アワード”
50周年記念
https://www.omegawatches.jp/ja/watches/speedmaster/moonwatch/silver-snoopy-award-50th-anniversary/product


単なる(そして世に沢山ある)スヌーピー(PEANUTS)コラボではなく、シルバースヌーピーアワード受賞から50周年の記念モデルである。


シルバースヌーピーアワードの受賞?


詳しい説明は、腕時計や宇宙開発に関係するメディアで、きっと至るところでされていると思うので、

雑にすると、
50年前に、オメガが宇宙開発で功績を残したことに対して、受賞した。
アポロ13号の事故からの生還に対して。

宇宙船内できっちりと何秒か測る必要があって、そのときに使われたのがオメガ・スピードマスター・プロフェッショナルだった。

オメガ・スピードマスターがアメリカの宇宙飛行士に使われていたのは必然的で、
当時のクロノグラフ(ストップウォッチつき腕時計)としては、格段の頑強さがあったからだ。




この記念モデル


昔の話は、置いておいても、この腕時計、見ての通り、かっこいい。

サブダイアルやベゼルの青
ファブリックのベルトの色味の美しさ


クロノグラフ針と連動する裏面のギミックも、面白い。

20201007164553927.jpg

(裏面には、クロノグラフ連動の宇宙船 画像は公式サイトより転載)

しかし、質実剛健なエピソードからして、虚飾は廃したほうが良いのでは?という考えもうかぶ。



まとめ


ファブリックのベルトにも賛否はありそうだが、
話題になったこのモデル、人気が出るのはうなずける。


宇宙のイメージとスピードマスターを結びつけたいオメガにとっては会心の作であろう。

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2020/10/07

「やはり、ブランディングなのか」  ホンダF1の事例を発端に考えるブランディング

ホンダがF1撤退



ホンダがF1から撤退する。
これで、通算4度目だ。

ちなみに、(筆者の愛する)フェラーリは0回、
現在最強チームであるメルセデスは1回である。


ホンダほど、参戦と撤退を繰り返すことは、世界的に大変珍しい(不名誉な意味で)のだが、

これによって、ブランドは一層、毀損したといえる。


ただし、残念なことに、F1の本場であるヨーロッパでのホンダの知名度や自動車の売上は、そもそも、全く冴えないという。

昨年度(2019)の調査では、
ヨーロッパにおける売上で、ホンダは全自動車メーカー中で、25位。
これは、トヨタ、日産、スズキ、マツダ、三菱よりも低い。
https://www.jato.com/japan/2020021801/

コロナの始まる前の数値で、これでは、参加している意味は低下するし、F1どころかヨーロッパからの撤退もやむを得ないと考えることもあるだろう。


しかし、そもそも論として、せっかくのF1という世界最高格式の自動車レースに、(エンジン供給という形とはいえ)参戦しておきながら、

広告戦略やブランディングに、全く活かせていなかったことは、株式および社会に責任のある上場企業として、大失敗であると考える。

むしろ、それさえできていたら、撤退も防ぎ、より一層ブランド価値を、高めることができていたのにと思う。



本ブログの主題である腕時計と結びつけるなら


腕時計メーカーよりも、よほど規模の大きい自動車メーカーでこれだ。

日本の腕時計メーカーだけでなく、日本の企業のブランディングの弱さが気になってくる。


思えば、「日本発の世界的なブランド」、今はあるのだろうか。

自動車メーカーは、ホンダ以外でも、IT企業の隆盛により、相対的な地位を下げている。

かつてはソニーが強かったが、これも新興のIT企業に取って代わられている。


他方、高級ブランドに関しては、ヨーロッパ系の独壇場であることに変化はない。


つまり、質的にも量的にも、残念な形であるのが、我が国のブランドであるといえる。


個人的には、
我が国の既存の企業をあまりに保護しようとする姿勢こそが、新興企業の隆盛を阻み、
結果的に国際競争力を下げているのではと考える。



まとまらないが


残念ながら、日本の腕時計メーカーが弱いのではなく、
日本企業そのものが弱い。

保護はしないほうがいい。

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2020/10/06

私の視点 2020年10月版

私の視点


私、のん(moonwatcher)のブログを書く際の視点について書いていく



のん(moonwatcher)は……

時計好き
でも、細かい構造には、詳しくない。
詳しくないけど、見た目がかっこいいのが好き


論理的・統計的・定量的に考えるのが好き
でも、内部情報は持ってない
その分、内外の時計業界と利害関係がない



筆者の今の願いは、
1 今後も、一層、時計メーカーが隆盛してほしい。
2 それによって、将来にわたって面白おかしく時計趣味生活をしていきたい。


特定のメーカーや国に肩入れしない



以上のことから、
特定のメーカー・ブランドには、一切肩入れしない。
国内メーカーをたてまつる、ナショナリズム的な考えはかえって、国内メーカーを弱めると信じている。
もちろん、スイスやドイツなら良し、というわけでもない。

フラットに考えていたい。
だから、ある時計のファンの視点からは、アンチに見えるときも多いと思う。



他人の趣味嗜好には、立ち入らない。
しかし、同時に他者の権利を侵害するような行為一切は、明確に否定する。



買値にはとらわれない


腕時計の買値にはとらわれない。
もちろん、金銭的な価値も、腕時計の価値の一部だと考えるが、

買値で百万円したものが、今現在も百万円とは限らないからだ。


市場価格が上がるのはうれしい気持ちになる。
でも、売るつもりはないから、筆者の中では、市場価格はうれしさ以上の意味はなくなる。



価値観は変わる


この半年以上、筆者はこのブログを毎日更新し続けている。
書きながら考え、情報をあつめ、としている。
おそらく、ブログの連続更新の当初とは異なるところもあるだろう。


それについては、「万物は流転する」とご容赦いただきたい。

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2020/10/05

税と製品

ビール系の酒税が変わって


本物のビールはわずかに安く、第3のビールという偽物はやや高くなった。
税率据え置きの発泡酒と、第3のビールとの価格差は小さくなったので、より不味い第3のビールを選ぶ動機も低下したと感じる。


言いたいことの大半は



今回、言いたいことの大半は、一年以上前だが、リンク先の記事に書いてある。

「日本のビールは、なぜ高い? 意外と知らない「酒税」のお話」
https://shanimu.com/2019/05/31/post-10770/


要するに、課税を避けるための商品開発が、品質低下や国際競争力の低下を招く。
というものだ。


いわゆる、ビール類似品の開発(発泡酒や第3のビール)をしたところで、海外に輸出できる代物には永久にならない。
本来のビールの品質向上にリソースを割けなくなる。


腕時計では


さて、現在の腕時計の場合、税率はもっぱら消費税の上下くらいしか関わりがないように見える。

特にロレックス等の輸入腕時計の場合、並行店や中古の商品価格は、世界的な相場と為替に大きく影響される。


そのような価格は国内の需要にはあまり影響されにくいから、
増税前の駆け込み需要の増加をねらった不当な吊り上げは、比較的起きにくいと言える。
(逆に言うと、増税後の需要減を狙って、安く買うことはできない。)

つまり、増税前に買うほうが、大抵は得をする。

もちろん、定価販売の正規店でも、増税前のほうが得だ。



かつてのアメリカ向けの時計では


かつて、スイスからアメリカ向けに輸出された時計(懐中時計および腕時計)では、

こんな刻印が多かった。

“seventeen 17 jewels unadjusted”


和訳すると、「17石 姿勢差調整なし」

ムーブメントに使う石(ルビー)の数が17を超えたり、姿勢差調整済だったりすると、高級機として関税が高くなったからだという。


だから、スイス製アメリカ向けムーブメントには、特別に、石の数を減らしたりする、逆方向の企業努力が行われることになった。



まとめ


結局のところ、商品の質によって税率を変えるやり方は、あまりうまくいかないのだ。

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2020/10/04

続 またしても、寿命か? カシオ・EDIFICE レッドブルコラボ

止まっていたEDIFICEレッドブルF1モデル




寿命かとも思っていたが、
一日干したら直った。
(筆者の家庭では、ソーラー腕時計の充電を「干す」と表現している)

20201003150334d0c.jpg

(日付と時刻も正確に戻っている。)

しかし、内部の充電池がかなり弱ってきているのも事実だろう。
ほんの一月前に、2秒運針になったことに気づいて、2日間干したばかりだからである。



タイムリー


ちょうど、筆者のレッドブルF1モデルの不調と、現在レッドブルF1チームにエンジンを供給しているホンダの、F1撤退の発表が時期を同じくした。


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偶然にしては、できすぎている気がした。

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2020/10/03

またしても、寿命か? カシオ・EDIFICE レッドブルコラボ

最近、寿命のシーズンなのか


G-SHOCKのベゼルが加水分解したところだが、

今度は、同じくカシオのEDIFICEのレッドブルコラボのソーラー電波腕時計が、止まった。

画像は別日撮影のイメージ
202010021848270b5.jpg


10月1日のこと、
小の月の後だったので、所有するクォーツ腕時計の日付を一斉に修整していた。
ついでに、電波時計であり、修正不要なこれに目を向けたところ、


すべての針が12時方向を向いて、止まっている。
日付は1日になっている。

いろいろとプッシュボタンを押してみると、
秒針が、3秒分逆転して、その後は音沙汰なし。

充電不足かと思って、一日、窓に近いところにおいておいたが、変化なし。


ソーラー充電池の劣化による不具合だろうか。

なんだが、カシオつながりのトラブルが多いように感じてしまう。

むしろこの腕時計にしても、7年使った。
今となってはレアなコラボレーションの腕時計であるから、可能な限り使い続けたいが……どうなるか。

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2020/10/02

ブランド論 セイコーのヴィンテージ風腕時計より

ヴィンテージ風腕時計


これ、いいなあ。


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(画像は下記リンクより転載)

https://www.fashionsnap.com/article/2020-09-01/seiko-net-series-new-item/



オンラインショップ限定だという、これらセイコーの腕時計。

昨今流行りの、「ヴィンテージ風腕時計の傑作だな」と思う。

ダイバーズウォッチを探している筆者には、防水性が10気圧であることが残念ではあるが、

それでも大変、魅力的である。




セイコーの根本的問題


と同時に、こういうオマージュあるいはインスパイア系の腕時計を平気で製造販売しているうちは、
スイスの腕時計(特に、元ネタであるロレックス)との、本質的な差は、永久に埋まらないとも言える。




グランドセイコーや新型ムーブメントの名声で



セイコーは、自慢の技術や、グランドセイコーで得た名声を最大限に活用することで、

こういった数万円台というお手頃価格で、「要するにパクリデザイン腕時計」を売りさばくビジネスモデルなのかなと思う。

他国のパクリを糾弾する前に、我が国の大企業の行うパクリを糾弾したい!
(ほんの数年前まで、セイコーには、「スピードマスター」を名乗るモデルまであった)


業種は異なるが


任天堂が、自社ではガチャ(射幸的な要素の強い有料制度)を行わない理由に、
要するに自社のブランドのためとあった。


まさに、ブランドの保持ため、あえて目先の小銭を稼ぐような商売をしない!

これなくして、ブランドの確立・イメージの向上なしと考える。

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2020/10/01

アンケート調査のおもしろさ! だが、日経電子版の「時計消費・関心度調査」には疑問が残る。

日経電子版による「時計消費・関心度調査」が気になった。




『ロレックスが認知度・好感度とも首位 日経7300人調査』
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO6391757016092020000000

調査結果等の詳細は上記リンクを、参照されたい。



日経電子版の購読者対象のアンケート調査である。
つまり、限定された階層に対する調査なのである。


しかも、上記リンク先の記事を、よくよく読むと、
調査対象の年収が限定され、「時計に関心がある人」という選別もあるという。


同記事を引用すると、

日経電子版会員(ID会員)で個人年収が600万円以上、仕事を持つ20~69歳14万人を対象とした。回答者の中から「時計に関心のある人」を絞り込み、有効回答数は7372人、男女比では男性が93%、女性が7%となった。

引用終わり

とある。



記事のタイトルでは、数千人規模の幅広い調査のようにみせていつつ、
実際には、「経済力があり、腕時計に関心がある人」にしぼっていたことは残念だ。
これが、新聞社のやることか?と疑問に思う。


さらに、そんな絞り込んだ対象相手の結果なのに、次2つの文章は、ありえない。

引用始

調査ではビジネスパーソンの腕時計への関心の高さが明らかに


コロナショック後、高額消費が冷え込んでいるが、資産価値がそれほど変わらない時計への関心の高さをうかがわせる内容となった。

引用終わり


関心のある者を調査対象にして、腕時計に関心が高いことがわかるのは、ごく当たり前である。
彼らは書いていておかしいと思わなかったのだろうか。



また、このような層だと、
腕時計を保守的・伝統的なビジネスの必需品と考えている人間が多くても不思議ではない。


そうすると、旧来、我が国において有名なブランドが強いのはうなずける。

むしろ、そうした層の中での、
グランドセイコーの知名度の低さ(トップ5に入らない)は、現在の国産腕時計の立ち位置を明確に示しているとさえ考えられる。
特に、この層に向けて、グランドセイコーは広告戦略を展開しているのだろうし。


また、腕時計に関心があって、ある程度の経済的余裕があるのなら、
複数本の腕時計をもっていても不思議ではない。
だから、腕時計に関心のあるなしで、調査対象を選別することの愚かさを、あらためて思う。




なお、これが、高級時計雑誌『クロノス日本版』の購読者対象のアンケート調査だったら、結果が大きく変わることは、想像にかたくない。
例えば、国内外有名ブランドの知名度は、軒並み9割を超えるとさえ思う。


やはり、アンケート調査はおもしろい。

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