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2020/07/20

手に取る奇跡の、趣味マンガ 〜『100万円超えの高級時計を買う男ってバカなの?』

奇跡のコラボレーション


『100万円超えの高級時計を買う男ってバカなの?』は、
幼少の頃からホビーマンガに親しんだ筆者からすると、
奇跡であり至高である。

だから、すでに何年も前のマンガだが、紹介したい。

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本作は、高級時計雑誌クロノス日本版に連載(2011年1月号〜2014年5月号まで)されていた『ムリやり時計ゼミ』を改題収録したマンガ書籍である。

漫画はマキヒロチ氏
監修は広田雅将氏(時計ジャーナリスト)


なお、『100万円超えの高級時計を買う男ってバカなの?』は、2014年1月に初版で、

続編にして最終巻にあたる『続・100万円超えの高級時計を買う男ってバカなの?』は、2014年12月に初版だ。
(もちろん、単に収録しただけでなく、加筆修正もされている箇所がある)

内容


要約すると、

腕時計に興味のない女性マンガ家「マキさん」と、腕時計オタクの「ハカセ」が、腕時計にまつわる事象を追って、日本(たまに世界)を巡る

という内容だ。

「ハカセ」の過剰なほどの腕時計オタクの生態が、本作のギャグパートも担当している。
時計の中身の機械を見て、おしりをふったり、大声で叫んだり、時計は好きだけど時間は見なかったり……。


漫画担当のマキヒロチ氏は、(おそらく)専業の漫画家である。

一方、腕時計についての解説やコラム、および作中の時計オタク「ハカセ」は、(連載中にクロノス編日本版集長になる)広田雅将氏が担当していた。
だから、情報の正確さやわかりやすさに定評があるのは当然として、

「マンガ部分が、購入するに値する内容」であることは特筆しなければならない。


よくあるハウツー物、よくあるビジネス本、よくあるホビー系のマンガは、ほとんどセミプロの漫画家によるものだ。
「有名キャラを使った子ども向け学習マンガ」だと、作者本人が描くことは一切なく、大抵はアシスタント等による。

しかし、この『100万円超えの〜』は、プロの漫画家による作品である。
(正確には連載中に専業のプロ漫画家になったのかは、時系列分析が足りないものの)



本物である


だから、本作は「マンガとして本物」であり、「腕時計メディアとしても本物」であるといえる。

こんような奇跡のコラボレーションが、今後、存在しえるのか、不安にさえなる。

また、結局のところ、
「作者が腕時計に、あまり興味のないまま」連載を終えることも面白い。

普通、ビジネスだとしても、「興味のあるふり」をするのに!

そういう、お約束にあえて乗らない姿勢も、好感がもてるのだ。

(さらに、一冊552円+税であり、ニッチな書籍の割には、安価な部類であると考える)

惜しむらくは


とはいえ、連載開始から数えると、10年近く前の作品である。
当時とは腕時計にまつわる事象も大きく変化した。



(なお、本作の連載期間は、リーマン・ショックおよび東日本大震災の影響で、各種金融資産や、腕時計を含む高級品相場は、歴史的に低かった時期と重なる。)

だから、どうしても情報としての価値は低下した。

逆にいえば、あと数十年したら、その時代の空気を伝える腕時計文化の資料になるのかなと思う。





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