ニッポンジンなら〇〇やろが?
日本人なら?
かつて、ブラジルから日本に帰化したサッカー選手のラモス瑠偉を起用したテレビCMに、
「日本人ならお茶漬け」というのがあった。
(調べてみると、26年前の1994年のことだそうだ)
人権意識やポリティカルコレクトネスなどの進展によって、
多分、今(2020年)では放送できないような気がする。
なぜなら、ラモス瑠偉が、元々は日本人ではないことを利用した広告である。
「日本人なら、日本製?」
それはさておき、腕時計関連の情報を集めていると、
「日本人なら、時計は日本製を使うべきだ」という言説によく出会う。
これに関しては、いつも、いつも完全否定したい衝動にかられる。
というわけで、以下の2つの論拠から、「日本人なら、時計は日本製を使うべきだ」に強く反論したい。
1 時計の本場はヨーロッパなのにもかかわらず、日本人なら日本製と推すのは滑稽なこと
2 ナショナリズム的に国産を推すと、消費者は品質と価格で不利益を受けること
(適正な競争がなくなり、自国企業も弱まる。ひいては、自国が衰退する。)
である。
筆者が言うなら
「日本人なら、国じゃなく、製品でえらべ!」である。
論拠1
そもそも、現代の時計全般は、ヨーロッパの文化・伝統工芸品である。(古代文明で使われた水時計とか日時計は除く)
今の主要な産地はスイスであるから、本場はスイスといっていい。
もちろん、クォーツ時計の生産で、日本メーカーは中心的な存在と言えるが、量で上回っただけでは、伝統はついてこない。
立場を置きえかえて考えたら、「日本人なら時計は日本製」が、おかしな言説であることがおわかりだろう。
もし、アメリカ人が、「アメリカ人ならキモノはメイドインUSAだろ!」とか、
中国人が、「中国人なら寿司は上海の職人が握ったのじゃないとな!」
とか言っていたら、
嫌でしょ?
着物や寿司の本場は、本家は日本だよ!と、いいたいでしょ?
着物や寿司は、日本のほうが、当然、伝統も格式も品質もって思うでしょ?
だから、ヨーロッパの文化・伝統工芸品である時計について、日本人なら日本製というのは、滑稽である。おかしいのだ。
もちろん、国内に本社のあるメーカーのほうがアフターサービスが期待できるし、内情も伝わりやすいから安心感はあるように思える。
だが、スイス製またはドイツ製の腕時計のアフターサービスは長期間の実績があるので、問題ない。
(むしろ、機械式腕時計の生産を中断した過去のある大手日本メーカーこそ、筆者には安心できないくらいだ)
論拠2
ナショナリズム的な発想で、自国産を必要以上に賛美することは、結果として自国に不経済である。
つまり、自国企業の製品が、他国企業の製品と比べて競争力が低いにも関わらず、あえて意図的に自国企業の製品を購入するとしたら、
結果として、消費者は、品質と価格の面で不利益を受けることになる。
自国企業も競争が阻害され、競争力が減退する。
結果として、自国の富の総量を減少させることになる。
つまり、「買い支える」という行為は、悪なのである。
(大企業の新陳代謝が活発なアメリカが、経済大国であり続けるのは、理にかなっているといえる)
もしも、ヨーロッパの文化・伝統工芸である時計分野で、日本企業に正面から戦ってもらいたいなら、
むしろ、我々消費者は厳しく公平な目で、自国か他国かにとらわれずに時計を選ぶ必要がある。
まとめ
だからこそ、筆者に言わせれば、
「日本人なら、国じゃない、製品でえらべ!」なのである。
【ランキングサイト参加中!】
【バナーのクリックお願いします!】
↓ ↓ ↓ ↓にほんブログ村
時計ランキング
- 関連記事
-
-
【腕時計】スナック菓子を食べながら、ファミコンのコントローラーを握るのをやめた日から、僕は物を大切に使うようになったんだろう【使い方】 2020/04/04
-
【漫画『着たい服がある』によせて】僕には着けたい腕時計がある 2020/03/31
-
だから、腕時計には、パッションだってば 2020/03/25
-
ニッポンジンなら〇〇やろが? 2020/03/20
-
【腕時計の今】実用品から趣味の工芸品へ 2020/03/19
-
そんなわけで、僕は愛していると言った 2020/03/19
-
【のん式、偽物論】ホンモノとは何か?【腕時計と偽物1】 2020/03/18
-
コメント