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2020/03/19

【腕時計の今】実用品から趣味の工芸品へ

今、時計を着けるということ?


ウェブクロノスに、こんな記事があって、

今、時計を着けるということ https://www.webchronos.net/blog/42931/


せっかくの機会なので、筆者も自分の思うところを書きたいと思う。
筆者は、このブログを再始動させてから、腕時計に対しての自分の考え方が、整理されてきた、と実感している。

刀の例では


腕時計って、武士の刀、日本刀によく似ていると日頃思っている。
刀は、戦国時代は実用品・消耗品だった。
極端な例だが、籠城戦では、刀はさやに入れずに、地面に突き立てておき、折れては替え、折れては替え、という使い方までされた。
(戦争中の使い捨て腕時計増産の逸話と類似する)
太平の世になると、武士の身分のシンボルとなり、実用性は薄くなる。(余談だが、「切り捨て御免」で、本当に切り捨てることはほぼなかった) 
江戸期の武士は、刀のツバ、サヤ、ツカなどの装飾に凝った。刀身は、もちろん名工の作をありがたがる。倹約令がでても、その抜け道を探りながら、それでも装飾に凝った。
また、金に困って刀身だけを売ってしまう武士もいたとも。(ガワさえよければ、という腕時計もある)
そして、廃刀令や軍刀が時代遅れになった結果、実用品としての立場を完全に失った。

時計に置き換えるなら


時計に置き換えるなら、刀身はムーブメント、その他は外装といえそうだ。


たいてい、いつの時代も、特に男性が好む道具類というのは、合理的理由や機能性をうんちくしながら、その実は装飾品・趣味の品という物が多いと思う。
筆者は詳しくないが、自動車やカメラ、万年筆、スニーカー、ワインなどにもやはり、似た傾向があると感じる。

金をかける対象が欲しい!
他人に自慢したい!
一人でニヤニヤしたい!

でしょ?

本心を人に知られると、ダサい気がする。
しかし、まさに人間らしさのあらわれとも、強く思う。

腕時計の今後

 
腕時計はこの先、人間が、何かの手段で、いつでも簡単に正確な時刻と時間を知ることができるようになったとき、
完全に合理的理由を失う。
(今のところ、スマートフォンは取り出す必要があるし、スマートウォッチも腕時計だ)
しかし、刀、あるいは、懐中時計のように、完全な趣味の品・伝統工芸品としての立場として、ほそぼそとその命脈を保つだろう。
そうなったとき、和服における野良着が滅んだように、低価格帯の腕時計だけは、地球上から消滅するに違いない。
昨今の、シチズンの業績悪化も、低〜中価格帯の腕時計が売れなくなったからだった。
高級品しか、趣味性の高いものしか、残れない。

20200319055037232.jpg


終わりに


偶然、今日の腕時計は、
スウォッチの自動巻きクロノグラフだ。
これこそは、低価格で、オーバーホール不能の時計だから、およそ次代には生きられまい。

滅びゆく時を味わいたい。

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